黒澤Pの創作ノート

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資料集め 『鉄底海峡―重巡「加古」艦長回想記』

資料として第一次ソロモン海戦を扱った書籍を集めています。

最初に読んだのはこの本です。

 

鉄底海峡―重巡「加古」艦長回想記 (光人社NF文庫)

鉄底海峡―重巡「加古」艦長回想記 (光人社NF文庫)

 

 第一次ソロモン海戦で活躍した古鷹型重巡洋艦二番艦「加古」の最後の艦長である高橋雄次氏本人がまとめた回想録です。艦長の着任から加古の沈没と後日談が書かれています。海戦に参加した当事者本人による貴重な証言です。

 

 海戦中の緊張感ある描写のみならず、任務中の少し笑える話、宴会で部下に酔い潰されそうになって逆に潰す話、部下の葬儀の様子など人間味溢れるエピソードが沢山あります。

 

 この本には高橋艦長の使命感が溢れています。加古の乗組員達がどう生きていたのか、どう戦ったのか、どう死んでいったのか。そのことを形にして残したいという使命感です。作中の戦死した部下の父親に手紙を送るエピソードからもその気持ちはよく見えてきます。読む前はもっと過去への感傷に満ちた本だと思っていたので、艦長の生き方がとても格好よく感じました。

 

 第一次ソロモン海戦の情報が欲しい方も当時の人間の心情を知りたい人にもおすすめの名著だと思います。